台風科学技術研究センター(TRC)には、主たる研究開発テーマごとに編成された6つの専門ラボを設置し、各分野の研究者が連携しながら多角的なアプローチで研究を推進しています。
また、これらの研究活動を円滑かつ効果的に進めるため、運営管理、データ基盤整備、広報・連携推進などを担う活動支援チームを配置し、センター全体の機能強化を図っています。研究ラボと支援チームが一体となることで、台風研究の新たな価値創出と社会実装を力強く推進しています。

組織体制
| センター長 | 筆保 弘徳 |
|---|---|
| 副センター長 | 坪木 和久・佐藤 正樹・森 信人・満行 泰河 |
6つのラボの概要と役割
台風観測研究ラボ
ラボ長 坪木 和久(名古屋大学/YNU 教授)

台風観測研究ラボでは、台風などの熱帯低気圧及びそれらと関わる豪雨や雲・降水システムに関して観測的研究およびデータ解析研究を実施します。ラボ長は台風を航空機観測を日本で初めて行った名古屋大の坪木和久教授です。台風観測研究ラボは、航空機観測ミッションチーム、船舶観測ミッションチーム、衛星観測解析チーム、観測用航空機開発チームで構成します。この航空機観測ミッションチームと観測用航空機開発チームは、台風の航空機観測で実績がある名古屋大学や琉球大学らを中心とします。船舶観測ミッションチームでは観測船を保有し、長年、熱帯海域の船舶観測を続けてきた海洋研究開発機構を中核とします。衛星観測解析チームは北海道大学などが牽引します。
台風予測研究ラボ
ラボ長 佐藤 正樹(東京大学/YNU 教授)

台風予測研究ラボでは、台風を高精度で予測するための研究・技術開発を行います。台風シミュレーション研究の第一人者である東京大学の佐藤正樹教授がラボ長として牽引し、台風予測チーム、災害予測・影響評価チーム、データ同化チーム、台風気候変動チーム、Beyond Forecastingチームで構成します。台風予測チームは東京大学大気海洋研究所などが中心となります。災害予測・影響評価チームは京都大学防災研究所や東京大学生産技術研究が中核を担います。データ同化チームは琉球大学や理化学研究所が中心となります。台風気候変動チームは海洋研究開発機構などが中心となります。Beyond Forecastingチームは横浜国立大学や慶応義塾大学などが牽引します。
台風発電開発ラボ
ラボ長 満行 泰河(YNU 准教授)

台風発電開発ラボでは、洋上の台風を追従し、巨大な台風エネルギーから発電や蓄電をするための研究・技術開発を行います。ラボ長には、船舶システム研究のホープである横浜国立大学の満行泰河教授が率い、発電開発チーム、蓄電・送電開発チーム、台風発電船開発チーム、台風発電システムインテグレーションチームで構成されます。IAS内の既存の先進化学エネルギー研究センターとも連携し、台風のエネルギーを資源とした発電や蓄電、その技術研究を担い、気象学的側面から脱炭素社会の構築を推進するための新しい技術を研究します。さらに、台風発電を行う新しい目的を持った船舶や海洋構造物のコンセプト設計から実装までを、企業や他の研究機関と連携しながら開発し、我が国の海事産業の活性化も目指します。
社会実装推進ラボ
ラボ長 真鍋 誠司(YNU 教授)

社会実装推進ラボは、他の3つのラボの活動から得られた研究成果を社会に導入する際の受容性に関する諸課題を検討し、社会実装を推進します。横浜国立大学の真鍋誠司教授が社会実装推進ラボをまとめます。リスク共生チーム、産業界連携プラットフォームチーム、法的・社会的課題チーム、国際協調課題チーム、教育・アウトリーチチームで構成されます。IASのリスク共生社会創造センターとも連携し、新エネルギーシステム導入に係わるリスクマネジメント、規制や規格の提案などに関し、協力体制を構築します。また、社会価値創出のために、産業界の巻き込みは必須であり、連携により社会実装の具現化を進めると共に、社会価値創出に対する学術的な考察も行います。さらに、台風にまつわる災害・防災、さらに未来の社会構築に関する知見やアイデアを教育現場でどう展開するかなどのアウトリーチも行います。
地域防災研究ラボ
ラボ長 森 信人(京都大学/YNU 教授)

地域防災研究ラボは、台風などさまざまな自然災害の実態解明とそれを引き起こす要因の理解を研究し、災害軽減に向けての解決方法を提案します。横浜国立大学の筆保弘徳教授がラボ長として牽引し、京都大学防災研究所、防災科学技術研究所、あいおいニッセイ同和損害などが中心となります。地域特性の強い風水害に関わる課題に対して、災害メカニズムの追求を目指した基礎的研究に取り組み、社会における問題解決を目指した実践的な研究を実施します。また地域防災研究ラボは、千葉大学、お茶の水女子大学などと連携した“環東京湾アライアンス”の枠組みの中で、東京湾地域における防災活動の取り組みを推進します。人間活動と一体となった新しい防災・減災の実現においては、教育が極めて重要な役割を担うと考えられ、防災教育も行います。
台風データサイエンスラボ
ラボ長 吉田 龍二(YNU 准教授)

台風データサイエンスラボでは、データサイエンスによって台風災害に対して耐性が高く、安全で安心な社会の実現を目指した研究・技術開発を行います。気象予測・防災予測の精度向上、用途の多様化、そしてパーソナライゼーションのために、台風に関連するあらゆる利用可能なデータを検討し、機械学習を応用してデータの集約、統合、利活用を行います。気象・気候データの機械学習適用をいち早く進めている海洋開発研究機構などと協力し、最先端の機械学習を適用します。また、社会への情報発信と社会との協調において豊富な経験と実績を持つ国立情報学研究所と協力します。さらに、TRCで開発されたプロダクトなどの発信も行います。
